あさきすの心のうち

30歳。裏切られて傷つき引きこもり、退職。からの、これからの話

母との過ごし方がわからない。

私は新しい仕事のために、もうすぐ引っ越す。
あと数日したら、次の年末まで母と会えなくなる。
 
母が非番なので一緒にとんかつを食べにいった。
道中、車で一緒にいても、大して話すことはない。
 
私は基本無言。時おり母が質問してくる。
けれど、10回に7回は話がうまくいかない。
必要以上に大きい声にも
無神経な言葉にもイライラしてしまう。
母の踏む車のブレーキが毎回きつい。近眼なせいだ。
私は頭が痛くなり、気持ちが悪くなる。
 
食べ終わり、本当は一緒に買い物にいく予定だったが
気分が悪くなってやめた。
母はパチンコへ行った。私はひとりで横になることにした。
 
私は母との時間の過ごし方がわからない。
 
母は私に何かを買ってあげたいと言ってくれるが
私は「大丈夫」と言う。母は残念そうな顔をする。
帰省するたびに「あんたにこれあげるわ」と
安くてダサい服を渡されそうになる。私は「いい」と言う。
 
母は身なりに無頓着で、1000円〜3000円ぐらいの服しか着ない。
よそ行きの服なんて、お葬式のときぐらい。
いつもジャージみたいな服だ。
 
私は昔から、家にお金がないことを知っていたから
「欲しい」とねだることを自然としなくなった。
 
母は「あげる」と言い、私は「大丈夫」と言う。
母は自分のためにお金を使わない。
私は母自身のために使って欲しいと思い、断る。
 
私がひとのために尽くす性分なのは
きっと母からの遺伝だと思う。
 
ほとんどの場合、母と一緒にいても苦痛だ。
楽しくない。
それでも、母をどうしても嫌いにはなれない自分も確かにいる。
ハリネズミジレンマのような呪い。
 
私は自分の不器用さに辟易する。
そんな不器用な家族のかたち。